目次
目標
「相関分析・回帰分析」について理解する
相関分析(Correlation Analysis)
手法の概要
- 2つの変数の 線形的な関連の強さと方向 を測る方法。
- 代表的なのは ピアソンの相関係数 (r)。
数式イメージ:

- +1 → 完全な正の相関(片方が増えればもう片方も増える)
- -1 → 完全な負の相関(片方が増えればもう片方は減る)
- 0 → 無相関(関連なし)
利用方法
- 変数間に「関係がありそうか」を探るとき。
- 因果関係を証明するものではない(あくまで関係の強さ)。
具体的な用途事例
- 健康: 運動量と体重の関係。
- マーケティング: 広告費と売上の相関を調べる。
- 教育: 勉強時間とテスト点数の関係。
相関分析の分析例
例えば、次のような広告費と売上の関係表があったとき「CORREL関数」を利用して相関関係を確認することができます。

CORREL関数
上の表で広告費のデータがB3からB8に、売上のデータがC3からC8にあるので、CORREL関数では次のように第一引数、第二引数をセットすることになります。
- A列 = 広告費
- B列 = 売上
=CORREL(B3:B8, C3:C8)

👉 出力例:この結果、0.98(非常に強い正の相関がある)という相関係数が得られることになります。
散布図で確認
相関係数は散布図でも確認できます。
- データを選択(広告費と売上の2列)
- 挿入 → 散布図 を選択
- データ点が右上がりに並べば「正の相関」
近似曲線を表示し、グラフオプションから「グラフにR-2乗値を表示する」にチェックをいれても相関係数を確認できます。


回帰分析(Regression Analysis)
手法の概要
- ある変数(目的変数)を、他の変数(説明変数)から 予測 するための統計モデル。
- 一番基本は 線形回帰(Linear Regression)。
数式イメージ:

- Y: 目的変数(売上など)
- X: 説明変数(広告費など)
- a: 切片(X=0のときのYの値)
- b: 回帰係数(Xが1増えたときYがどれだけ増えるか)
- ε: 誤差
利用方法
- 「この要因は結果にどれだけ影響しているか?」を知りたいとき
- 予測モデルを作りたいとき
具体的な用途事例
- ビジネス・マーケティング
- 広告費(Y)から売上(X)を予測。
- 商品価格と販売数量の関係をモデル化(需要予測)。
- 教育
- 勉強時間(X)から試験点数(Y)を予測。
- 医療
- 投薬量(X)と血圧低下度(Y)の関係。
回帰分析の分析例
データ分析ツール → 回帰
- 「データ」タブ → 「データ分析」 → 「回帰分析」 を選択
- 入力範囲を指定
- Y入力範囲 = 広告費(C3:C8)
- X入力範囲 = 売上(B3:B8)
- 出力先を指定して実行
👉 出力例(一部抜粋)
- 回帰式: 売上=1.6571×広告費売上 + 10.333(切片=10.333、係数=1.6571)
- 決定係数 R² = 0.9841(モデルの当てはまりが非常に良い)
「データ」タブ→「データ分析」→「回帰分析」と選択します。

必要な値を入力します。

出力結果

重決定 R2:0.984105314480741
切片:10.3333333333333
X 値1:1.65714285714286
グラフ上で近似直線を追加
- 散布図を作成
- データ点を右クリック → 「近似直線の追加」
- 「線形回帰」を選択し、「グラフに数式を表示」「R²値を表示」にチェック
👉 グラフ上に回帰式とR²が表示される
相関分析と回帰分析の違い
観点 | 相関分析 | 回帰分析 |
---|---|---|
主な目的 | 変数間の関係の強さを測る | 一方の変数から他方を予測 |
出力 | 相関係数 r (-1〜+1) | 回帰式(Y=a+bX)と回帰係数 |
因果関係 | 証明できない | 仮定すれば因果の方向を想定できる |
例 | 広告費と売上に関連があるか? | 広告費を増やしたら売上はいくら伸びるか? |
まとめ
- 相関分析: 「関連の強さ」を数値で確認。探索的分析に有効。
- 回帰分析: 「影響の大きさ」や「予測」を数式で表す。施策の効果推定や予測に有効。
今回は以上となります。
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