12-LPIC「level1」

LPIC|level 1【メタキャラクタ】

目標

  • メタキャラクタについて理解する
  • tee コマンドと xargs コマンドについて理解する

メタキャラクタ

メタキャラクタは、シェルが解釈する特殊な意味を持つ文字です。これらはシェルやコマンドラインで操作を制御したり、コマンドの挙動を変えるために使用されます。例えば、リダイレクト(>、>>)やバックグラウンド実行(&)、パイプ(|)などがメタキャラクタに該当します。

補足資料として「ストリーム」「標準入力」「標準出力」「標準エラー出力」「パイプ」「リダイレクト」は次の記事を参考にしてください。

Virtual Box & Linux(Part.9)| Linux テキスト処理(1)| 現役エンジニア&プログラミングスクール講師Linuxのテキスト処理について記事にしています。「標準入力」「標準出力」「標準エラー出力」「パイプ」「リダイレクト(リダイレクション)」について操作方法を含めて扱っています。...

1.ワイルドカード系

  1. *(アスタリスク):
    • 任意の文字列(0文字以上)にマッチします。
    • 例: *.txt → .txtで終わるすべてのファイル。
  2. ?(クエスチョンマーク):
    • 任意の1文字にマッチします。
    • 例: file?.txt → file1.txt、fileA.txtなど。
  3. [](角括弧):
    • 括弧内のいずれか1文字にマッチします。範囲指定も可能。
    • 例: file[123].txt → file1.txt、file2.txt、file3.txtなど。
  4. [^ ](否定の角括弧):
    • 括弧内に指定した文字以外の文字にマッチします。
    • 例: file[^1].txt → file2.txt、fileA.txt(file1.txt以外)。

2.リダイレクト系

  1. >(リダイレクト):
    • コマンドの標準出力をファイルに書き込む。
    • 例: echo “Hello” > hello.txt → hello.txtに書き込む。
  2. >>(追記リダイレクト):
    • 標準出力をファイルの末尾に追記する。
    • 例: echo “Hello” >> hello.txt → 既存のhello.txtの末尾に追加。
  3. <(入力リダイレクト):
    • コマンドの標準入力をファイルから取る。
    • 例: sort < file.txt → file.txtの内容を入力としてソート。
  4. 2>(エラーメッセージのリダイレクト):
    • 標準エラー出力を指定したファイルにリダイレクト。
    • 例: command 2> error.log → エラーメッセージをerror.logに書き込む。

3.パイプとコマンドの制御

  1. |(パイプ):
    • 前のコマンドの標準出力を次のコマンドの標準入力として渡す。
    • 例: ls | grep “txt” → lsの出力をgrepに渡してtxtを含むファイルを検索。
  2. &(アンパサンド):
    • コマンドをバックグラウンドで実行する。
    • 例: sleep 10 & → sleep 10をバックグラウンドで実行。
  3. &&(AND条件):
    • 前のコマンドが成功した場合に、次のコマンドを実行する。
    • 例: mkdir newdir && cd newdir → mkdirが成功したらcdを実行。
  4. ||(OR条件):
    • 前のコマンドが失敗した場合に、次のコマンドを実行する。
    • 例: mkdir newdir || echo “Failed” → mkdirが失敗したらエラーメッセージを表示。

4.コマンドのグループ化とサブシェル

  1. ()(サブシェル):
    • 括弧内のコマンドをサブシェルで実行する。サブシェル内での変数や設定変更は親シェルに影響しない。
    • 例: (cd /tmp && ls) → /tmpに一時的に移動してリスト表示。
  2. {}(グループ化):
    • コマンドをグループ化し、同じシェル環境内で実行する。
    • 例: { echo “Hello”; echo “World”; } → 並行して実行するが、同じシェル環境で行われる。

5.セッションやシェルの制御

  1. ;(セミコロン):
    • 複数のコマンドを1行で順番に実行する。
    • 例: echo “Hello”; echo “World” → 2つのechoコマンドを順番に実行。
  2. !(コマンド履歴の反転):
    • 前のコマンドの逆の結果を返す(多くの場合論理否定で使う)。
    • 例: ! ls → lsが成功した場合、失敗に反転。

6.文字列展開・パラメータ展開

  1. $(変数展開):
    • シェル変数を展開する。
    • 例: echo $HOME → $HOMEに格納されたパスを表示。
  2. ${}(変数展開の拡張):
    • より複雑な変数展開を行う。
    • 例: echo ${USER} → USER環境変数の内容を表示。

7.引用符・エスケープ

  1. ‘(シングルクオート):
    • 文字列の中の特殊文字をそのまま文字列として扱う。展開を抑制します。
    • 例: echo ‘$HOME’ → $HOMEを文字列として出力。
  2. “(ダブルクオート):
    • 文字列の中で変数やコマンドの展開を許可する。
    • 例: echo “$HOME” → $HOMEの値(ユーザーディレクトリ)を表示。
  3. \(バックスラッシュ):
    • 特殊文字のエスケープ処理を行う。
    • 例: echo “This is a \”quoted\” word” → quotedをクオートとして表示。

tee コマンドと xargs コマンド

tee コマンドと xargs コマンドは、Linux/Unix のシェルでよく使われる強力なツールです。

tee コマンドの利用方法

基本構文:command | tee [ファイル名]
概要:tee は、標準出力を画面に表示しつつ、ファイルにも書き込むためのコマンドです。

利用例

ls -l | tee filelist.txt

ls -l の結果が画面にも表示され、同時に filelist.txt にも書き込まれます。

オプション:-a(append): 既存ファイルに追記する

利用例

echo "ログ追加" | tee -a log.txt

xargs コマンドの利用方法


基本構文:command | xargs [コマンド]
概要:xargs は、標準入力を引数として他のコマンドに渡すためのツールです。主にパイプで前段の出力を受け取り、コマンドに引数として供給します。

利用例

ls *.txt | xargs -r rm

*.txt ファイルをリストアップして、それらを rm コマンドの引数として削除します。

.txt ファイルが存在しない場合に rm に何も渡されず、思わぬ動作をする可能性があります。安全のためには、-r(空入力時はコマンドを実行しない)を付けています。

よく使うオプション:-n N : 一度に渡す引数の数を制限

利用例

echo "1 2 3 4 5" | xargs -n 2 echo

出力結果

1 2
3 4
5

よく使うオプション:-I {} : プレースホルダを使う

利用例

echo "file1 file2" | xargs -I {} mv {} backup/

tee と xargs の組み合わせ例

find . -name "*.log" | tee log_files.txt | xargs rm

.log ファイルを探して一覧を log_files.txt に保存し、同時にそのファイルを削除します。

今回は以上になります。

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