13-ネットワーク

頭文字D / 高橋涼介風:IPv6

高橋涼介についてはこちら

頭文字D / 高橋涼介風:IPv6

「IPv6」――それは、旧世代の限界を突破する“次のステージ”

IPv4の限界は、すでに俺たちの走る路(みち)を制限していた。
ノード数、アドレス枯渇、NATによる複雑化。
――そのすべてをブチ壊すために、IPv6が用意された。


① IPv4とIPv6の違い、それは“器のデカさ”だ

  • IPv4:32ビット、約43億アドレス。NATがないと足りない。
  • IPv6:128ビット。
     約340澗(かん)個。地球どころか銀河をカバーできる。

「最初から、NATなんか必要ない。純粋なエンドツーエンドの通信だ。」
……IPv6は、そう設計されている。


② アドレス構成――緻密で合理的な設計思想

  • 2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334
     → 無駄に見えるか?違う。128ビットを明確に区切る意味がある。
  • 64ビット:ネットワーク部(ルーティング:サブネットプレフィックス
  • 64ビット:インターフェイス識別子(デバイスの一意性:インターフェースID

「64:64という構成は、スピードと拡張性を両立する“最適解”だ。」
フロントラインで使うには、それだけの意味がある。

サブネットプレフィックスは「/80」のように変更することも可能だ。だが、基本的には非推奨だ。念のため言っておくぞ。

IPv6の表記は、そのままだと冗長で無駄が多い。実は、その無駄を省くためのルールが準備されている。ここは、しっかり、押さえておくんだ。

2001:0db8:0000:0000:8a2e:0000:0000:7334

一見するとゴチャついて見えるが、無駄を見抜く力があれば、
このアドレスはもっとシャープに仕上がる

ステップ①:各ブロックの 先頭ゼロ を省略

IPv6では、各ブロック(16ビット)内の先頭のゼロは省略可能。
2001:0db8:0000:0000:8a2e:0000:0000:7334
2001:db8:0:0:8a2e:0:0:7334

デジタルの無駄は、走りのブレと同じだ。判断の速さが求められる。

ステップ②:連続する「:0:0:」を “::” にまとめる

IPv6のもう一つの強み、それはゼロの連続圧縮―最も長く連続するゼロの並びを「::」で省略できる。
2001:db8:0:0:8a2e:0:0:7334
2001:db8::8a2e:0:0:7334

:: は 1回だけ使える。それ以上使ったらルール違反だ。
どこが省略されているか分からなくなるから、システム的にも解釈不能になる。

③ アドレスタイプ――使い方で切り分ける“3つの走り方”

タイプ意味高橋涼介風に言うなら…
ユニキャスト1対1通信「直線勝負。相手はただ一人。」
マルチキャスト1対グループ通信「チーム戦術。必要な連中だけを狙い撃つ。」
エニーキャスト複数候補の中から一番近いノードに送信「最短ルートにいる奴が処理を取る。それだけの話だ。」

IPv4で利用されてきたブロードキャストアドレスはIPv6では廃止となった。代わりに利用されているのがマルチキャストアドレスだ。

IPv6のインターフェースには“複数のアドレス”が割り当てられてる。
だがそれは、ただ数が多いだけの雑な設計じゃない。
全てに意味があり、役割がある。それがIPv6の流儀だ。――

【IPv6のアドレス構成】
――一つのNICに、複数のアドレス。そこに迷いはない。
IPv4時代のように「1インターフェース=1アドレス」なんて単純じゃない。
IPv6は、常に“複数の視点”を持つ。

1つの判断じゃ足りない。複数のラインを想定しておくことが、トラブルを未然に防ぐ。それはまるで、雨の中でのブレーキングポイントだ。

① リンクローカルアドレス(fe80::/10)
これはインターフェースが持つ“最低限の足回り”。自動で割り当てられ、ルーターと最初の接続を確立する。通信できるのは“同じリンク(セグメント)”内だけ

「スタート地点で動けなきゃ意味がない。リンクローカルは、最初の一歩のために必ず存在するアドレスだ。」

② グローバルユニキャストアドレス(2000::/3)
これは、インターネットにも通じる“表の顔”となるアドレスだ。DHCPv6やSLAACで動的に割り当てられる。通信の本線を走るためのアドレスだ

「世界を走るには、このグローバルが必要不可欠だ。つまり“本命のマシン”だ。」

③ 一時アドレス(Temporary Address / プライバシー拡張)
ユーザの追跡を防ぐために生成される、ランダムな副アドレス。Webアクセスや一時通信に使われ、時間が経つと破棄される。

「正体を悟られずに走り切る――それが一時アドレスの存在理由だ。常に目立たず、そして、常に速い。」

④ マルチキャストアドレスへの参加(ff02::/16など)
各インターフェースは複数のマルチキャストグループに自動参加する。

  • 全ノード(ff02::1)
  • 全ルーター(ff02::2)

そのインターフェース専用の通知受信用グループだ。

「単独じゃない。“チーム”として動く必要がある場面もある。マルチキャストは、仲間との連携ラインだ。」

⑤ エニーキャストは通常は持たない
サーバーやルーターに明示的に設定する必要があるアドレスだ。同じアドレスを持つノード群の“最も近い1台”にしか届かない。

「選ばれるのは、最も速く、最も近いマシンだけ――エニーキャストは、選ばれし存在にのみ許される。」

アドレス種別自動?用途
リンクローカル自動ネットワーク初期接続
グローバルユニキャスト自動 or 手動インターネット通信
一時アドレス自動(OS設定次第)プライバシー保護通信
マルチキャスト自動プロトコルや通知用
エニーキャスト⛔(要設定)最寄りノードへの配信(主にサーバ側)

④ アドレスの自動設定――オートマじゃない、“セミオート”だ

IPv6には自動構成機能(SLAAC)がある。

IPv6にもIPv4と同様に「手動設定」「DHCPサーバによる自動設定」もあるが、IPv4と大きく違う点は「SLAAC」が追加されたことだ。

これは、ルーターがLAN上のホストにRA(Router Advertisement)を送信し、ホスト側では、届いたRAにあるプレフィックスを利用して自身のIPv6アドレスを自己生成する機能だ。

「設定なんかいらない。ネットワークが、アドレスを自ら編み出す。」
――それがIPv6の思想だ。

NATなんて要らない。DHCPさえ補助的存在になる。現実には、依然として DHCPv6 を正式なアドレス配布手段として使うことが多いが。

以前はIPv6の生成に端末固有のMACアドレスが利用されていた「(EUI-64形式を使って)が、今では、プライバシー保護の観点から、MACアドレスを使わずにランダムなインターフェースIDを生成するのが一般的になっている。


⑤ マルチキャストの活用――精密な情報共有

IPv6にはブロードキャストがない。代わりにすべてマルチキャスト。

  • ff02::1 → リンク上の全ノード
  • ff02::2 → 全ルーター

「全台にぶちまけるんじゃない。必要な相手だけに、ピンポイントで流す。」
…それがマルチキャストだ。


⑥ 通信の高速化――IPv6は“無駄を削ぎ落としたエンジン”だ

  • ヘッダが簡素(固定40バイト)
  • チェックサムもなし。負荷はL2や上位層に任せる。

「余計な装備は捨てた。軽く、速く、そして効率的に。」
IPv6の設計者は、そんな“走り”を目指したんだ。


⑦ トンネリング――旧世代(IPv4)との「橋渡し」

  • IPv6to4, Teredo, ISATAP…
    → 古い路(IPv4)を走るための仮設トンネル

「だが一時的な措置に過ぎない。目的はあくまで、IPv6の完全走行だ。」
過去を利用して未来に辿り着く。それが移行技術だ。


結論:IPv6、それは「完全通信」へのドライビングライン

IPv6は、ただの新しいIPアドレス体系じゃない。
それは――ネットワークが本来あるべき姿へと戻るための“リファイン”だ。

「速さだけじゃない。理論、設計、未来の拡張性……」
全てを兼ね備えたシステムが、IPv6だ。

――使いこなすのは、簡単じゃない。だが、
“分かってる奴”だけが、その真価を引き出せる。

今日はここまでだ。下にITスクール情報を置いておく。俺は学習にも闘争心が必要だと考えている。まだまだ、これからだと思えるなら限界を超えた走りを見せてくれ。健闘を祈る。

「2025年版」 最新おすすめ ITスクール情報 | 現役エンジニア&プログラミングスクール講師2025年 最新 ITスクール情報です。Winスクール、インターネット・アカデミー、DMM WEBCAMP、テック・アカデミー、Aidemy  Premium、スキルアップAIといった人気スクール、注目度が急上昇中のスクールを掲載しています。...
【最大70%OFF】AI×IoTを本気で学ぶなら今がチャンス!python AI IoTを学ぶならインターネット・アカデミー『Reスキル通学講座』(経済産業省から認定を受けた講座)認定数が日本一!AI・IoT関連の最先端スキルを受講料が最大『70%OFF』で学べる。Reスキル講座で身に着けることのできるスキルは経済産業省が策定する「ITスキル標準(ITSS)」のレベル4の水準となります。レベル4水準のIT人材の年収平均は『726.1万円』と高く、これからIT分野のスキルを新しく身に着けたい方、さらなるスキルアップ・年収アップを目指したいIT職の方まで、魅力的な講座となっています。...
【現役エンジニアが本音で解説】おすすめのITスクール「Winスクール」はこんな人にぴったり!ITスクールの選び方を説明しています。もっとも譲れない条件を基にしてスクールを選び、学びたい教科を学ぶことをお勧めします。ページ下部に「おすすめ求人サイト」について情報を掲載中。...
RELATED POST
no image
13-ネットワーク

頭文字D / 高橋涼介風:TCP/IPプロトコルスイート

2025年6月26日
プログラミング学習 おすすめ書籍情報発信 パソコン初心者 エンジニア希望者 新人エンジニア IT業界への就職・転職希望者 サポートサイト Programming learning Recommended schools Recommended books Information dissemination Computer beginners Prospective engineers New engineers Prospective job seekers in the IT industry Support site
no image
13-ネットワーク

頭文字D / 高橋涼介風:ダイナミックルーティング

2025年6月18日
プログラミング学習 おすすめ書籍情報発信 パソコン初心者 エンジニア希望者 新人エンジニア IT業界への就職・転職希望者 サポートサイト Programming learning Recommended schools Recommended books Information dissemination Computer beginners Prospective engineers New engineers Prospective job seekers in the IT industry Support site