12-LPIC「level1」

LPIC|level 1【パーティション】

目標

  • システムの要件に応じたパーティション設計ついて理解する

パーティションの概要と用途

パーティションの概要については次の記事を参考にして下さい。

Virtual Box & Linux(Part.21)| Linux リソースの利用(1)| 現役エンジニア&プログラミングスクール講師Linuxのパーティションについて記事にしています。「デバイスドライバ」「デバイスファイル」「パーティション」「ファイルシステム」について扱っています。...

業務でパーティション設計を行う際、システム要件用途に応じて、適切にパーティションを分割します。例えば、サーバーやクライアントPC、データベースサーバーなど、目的に応じた最適な設計が求められます。

サーバー環境(例:データベースサーバー)

データベースサーバーやアプリケーションサーバーでは、以下のようなパーティション設計がよく使われます。

  • ルートパーティション (/)
    • サーバー全体のシステムファイルを格納するために使用。最小限のサイズで、運用中のファイルは含まないようにします。
  • ログ用パーティション (/var/log)
    • サーバーではログファイルが大量に生成されます。ログ用の専用パーティションを作成することで、/パーティションがログで満杯になるのを防げます。特に、/varや/var/logは大きくなることが多いため、分けておくことが重要です。
  • データベース用パーティション
    • 大容量のデータベースを扱うサーバーでは、専用のパーティション(例えば/dbや/mnt/db)を設けてデータファイルを格納します。これにより、データベースのパフォーマンスを向上させ、バックアップや復元を行いやすくします。
  • スワップパーティション
    • メモリが不足した際にデータを一時的にディスクに退避するため、適切なスワップ領域を確保します。サーバーの場合、メモリが不足する可能性が高いため、スワップ領域を十分に設けることが推奨されます。

開発・テスト環境

開発環境やテスト環境では、次のように設計します:

  • コードとアプリケーション用パーティション
    • アプリケーションや開発用のコードは、/appや/var/wwwなど、専用のパーティションに格納します。これにより、システムパーティションとアプリケーションのファイルが独立し、メンテナンスやトラブルシューティングを行いやすくなります。
  • 仮想環境用パーティション
    • 仮想化環境では、仮想マシンのディスクイメージを専用のパーティションに格納し、仮想化の管理が容易になるようにします。これにより、仮想マシンのストレージがシステムディスクに影響を与えないように管理できます。

バックアップシステム

バックアップサーバーやストレージサーバーでは、以下のような設計が推奨されます:

  • バックアップ用パーティション
    • データのバックアップを効率よく管理するため、バックアップ用の専用パーティションを作成します。これにより、バックアップデータが他のシステムデータに影響を与えず、独立して管理できます。
  • ネットワーク共有用パーティション
    • クライアントやサーバーからアクセスされる共有データを保存するために、/srvや/mnt/nfsなどの専用パーティションを設定します。

パーティションの設計

パーティションは、ディスク上の領域を論理的に分割し、管理しやすくするためのものです。基本パーティション(primary partition)と拡張パーティション(extended partition)の違いについて簡単に触れた後、それぞれのパーティションに関連するディレクトリについて確認します。

基本パーティションと拡張パーティション

  • 基本パーティション(Primary Partition):
    • 一般的に、1つのディスクに最大4つの基本パーティションを作成できます。
    • 基本パーティションは通常、/(ルートパーティション)や/home、/boot、/varなど、システムの主要なファイルシステムを格納するために使用されます。
  • 拡張パーティション(Extended Partition):
    • 拡張パーティションは、基本パーティションが4つ以上必要な場合に使います。拡張パーティション自体はファイルシステムを持つことができませんが、その中に論理パーティション(logical partition)を作成できます。
    • 論理パーティションも基本パーティションと同様に、データを格納するために使用されます。
    • 論理パーティションは、例えば/dataや/mnt、あるいは仮想マシン用のディスクやバックアップのために使用されることが一般的です。

基本パーティションに入るディレクトリ

基本パーティションは、通常、システム用の基本的なファイルやユーザのデータを保存するために使用されます。具体的には以下のようなディレクトリが格納されます。

  1. / (ルートディレクトリ)
    • システム全体のトップディレクトリで、基本パーティションの1つとして使われることが一般的です。ルートディレクトリには、システムの設定や基本的なプログラム、ライブラリが保存されます。
  2. /boot
    • システムを起動するために必要なファイル(カーネルイメージやブートローダー)が格納されるディレクトリです。小さなパーティションとして分けられることが多く、基本パーティションの1つに割り当てられることが一般的です。
  3. /home
    • ユーザーのホームディレクトリが格納されます。ユーザーファイルや設定ファイルを保持するため、データ量が増えた場合には、別のパーティション(特に基本パーティション)に割り当てられることが多いです。
  4. /var
    • ログファイルや一時ファイル、メールスプールなど、更新頻度が高いファイルが格納されます。ディスク容量に余裕がある場合、基本パーティションに割り当てられることがありますが、/varを独立したパーティションにすることもあります。

パーティションの構成例

基本パーティションを使用した例

  • /: 20GB
  • /home: 100GB
  • /boot: 500MB

拡張パーティションに入るディレクトリ

拡張パーティション自体はファイルシステムを持たず、その中に論理パーティションを作成します。これらの論理パーティションにディレクトリが格納されます。拡張パーティション内の論理パーティションに格納されるディレクトリは、一般的に次のようなものがあります。

  1. /mnt
    • 一時的に他のファイルシステムをマウントするためのディレクトリです。拡張パーティションの論理パーティションをここにマウントすることがあります。
  2. /data
    • データの保存用として使われるディレクトリです。例えば、ユーザーが作成した大きなファイルや、データベースファイルなどを格納するために、拡張パーティションの論理パーティションに割り当てられることが多いです。
  3. /srv
    • サーバー用のデータやアプリケーションが格納されるディレクトリです。例えば、ウェブサーバーのデータや、FTPサーバーのデータなどが格納されます。
  4. /opt
    • サードパーティのアプリケーションをインストールするためのディレクトリで、特に大きなアプリケーション(例えば、商用ソフトウェアや大型パッケージ)などが格納されます。これも拡張パーティション内に置かれることがあります。
  5. /backup
    • バックアップ専用のパーティションとして利用されることが多いです。このディレクトリにはシステム全体やユーザーのバックアップデータが格納されます。

パーティションの構成例

拡張パーティションを使用した例

  • 拡張パーティションの中に論理パーティションを作成
  • /mnt: 50GB
  • /data: 200GB
  • /srv: 100GB

LVM(参考):Linuxのディスク管理機能にLVM(Logical Volume Manager)という仕組みがあります。この仕組みを利用すると、例えば、「/dev/sda1(SSD1)」,「/dev/sdb1(SSD2)」のような複数の物理ディスクをまとめて、1つのボリュームグループ(vg_data)を作り、その中に論理ボリューム(lv_home, lv_data)を作成することがで、あたかも、ひとつの大きなディスクのように利用できます。

今回は以上になります。

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