目標
- NTPについて理解する
- Linuxの時刻設定方法について理解する
NTPによる時刻設定(Ubuntu)
NTP(Network Time Protocol)は、コンピュータの時刻をインターネットを通じて正確に同期するためのプロトコルです。UbuntuでもNTPを利用して時刻の設定を行うことができます。以下は、UbuntuにおけるNTPの設定方法です。
NTPの概要
NTPは、ネットワーク上のタイムサーバーと同期してコンピュータの時刻を正確に保つためのシステムです。通常、インターネット上に公開されているNTPサーバーと通信し、システムの時計を正しい時刻に合わせます。これにより、システムが実際の時刻とズレないように保つことができます。
Ubuntuでは、NTPサーバーを使用して時刻を自動的に同期するためのサービスとして、systemd-timesyncdという軽量なサービスが標準で提供されています。さらに、chronyやntpdといった他のNTPクライアントを利用することも可能です。
systemd-timesyncdを使って時刻同期
Ubuntu 18.04以降、systemdが標準のサービス管理ツールになり、systemd-timesyncdというNTPクライアントが標準でインストールされています。これを利用することで、簡単にシステムの時刻をインターネット上のタイムサーバーと同期できます。
systemd-timesyncdの有効化と確認手順
サービスが有効か確認する
systemd-timesyncdがインストールされ、サービスとして動作しているか確認します。
timedatectl status
出力にNTP synchronized: yesと表示されていれば、NTPによる時刻同期が有効になっています。
NTPが無効の場合、有効にする
NTPが無効になっている場合、次のコマンドでsystemd-timesyncdサービスを有効にします。
sudo timedatectl set-ntp true
これで、時刻同期が有効になります。
ステータスの確認
再度、timedatectl statusを実行して、NTPが有効になったことを確認します。
timedatectl status
この時、NTP synchronized: yesと表示されるはずです。
NTPサーバーを手動で設定
Ubuntuでは、特定のNTPサーバーを手動で設定することもできます。これには、systemd-timesyncdの設定ファイルを編集します。
設定ファイルの編集
systemd-timesyncdの設定ファイルは/etc/systemd/timesyncd.confにあります。このファイルを編集することで、使用するNTPサーバーを変更できます。
設定ファイルを開きます。
sudo nano /etc/systemd/timesyncd.conf
NTP=行を見つけて、使用したいNTPサーバーを設定します。例えば、time.google.comを使用する場合は次のように記述します。
NTP=time.google.com
他にも、pool.ntp.orgなどを使って複数のサーバーを設定することができます。
NTP=0.pool.ntp.org 1.pool.ntp.org 2.pool.ntp.org
設定を保存してファイルを閉じます。
サービスの再起動
設定を反映させるために、systemd-timesyncdサービスを再起動します。
sudo systemctl restart systemd-timesyncd
再起動後、時刻が新しいNTPサーバーと同期されるようになります。
NTP同期の確認
時刻が正しく同期されているか確認するには、次のコマンドを実行します。
timedatectl status
NTP synchronized: yesと表示されていれば、NTPによる時刻同期が正常に動作していることになります。
さらに、chronyc trackingやntpq -pなど、他のツールを使用して、詳細な同期情報を確認することもできます(chronyやntpdを使っている場合)。
NTPを使った手動同期
systemd-timesyncd以外にも、ntpdやchronyを使用することができます。これらはより詳細な設定や制御を提供します。
ntpdのインストールと設定
ntpdのインストール
sudo apt update
sudo apt install ntp
ntpdの設定
ntpdの設定は/etc/ntp.confで行います。必要に応じて、NTPサーバーを変更します。
サービスの開始
sudo systemctl start ntp
サービスの自動起動を有効にする
sudo systemctl enable ntp
chronyのインストールと設定
chronyのインストール
sudo apt update
sudo apt install chrony
chronyの設定
設定ファイルは/etc/chrony/chrony.confにあります。NTPサーバーを変更する場合はこのファイルを編集します。
サービスの開始
sudo systemctl start chrony
サービスの自動起動を有効にする
sudo systemctl enable chrony
同期状況の確認
chronyc tracking
UbuntuでNTPによる時刻同期を行う方法は、systemd-timesyncdを利用するのが最も簡単で一般的な方法です。NTPサーバーを手動で設定したり、別のNTPクライアント(ntpdやchrony)を使用してもよいですが、どの方法を選んでも正確な時刻を保持するための手助けとなります。
基本的な流れは、NTPサービスを有効にして、同期対象となるNTPサーバーを設定し、動作確認を行うというものです。この設定を行うことで、システムが常に正しい時刻を維持し、ログのタイムスタンプや認証など、時間に依存する各種処理が正確に動作するようになります。
今回は以上になります。

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