12-LPIC「level1」

LPIC|level 1【NTP】

目標

  • NTPについて理解する
  • Linuxの時刻設定方法について理解する

NTPによる時刻設定(Ubuntu)

NTP(Network Time Protocol)は、コンピュータの時刻をインターネットを通じて正確に同期するためのプロトコルです。UbuntuでもNTPを利用して時刻の設定を行うことができます。以下は、UbuntuにおけるNTPの設定方法です。

NTPの概要

NTPは、ネットワーク上のタイムサーバーと同期してコンピュータの時刻を正確に保つためのシステムです。通常、インターネット上に公開されているNTPサーバーと通信し、システムの時計を正しい時刻に合わせます。これにより、システムが実際の時刻とズレないように保つことができます。

Ubuntuでは、NTPサーバーを使用して時刻を自動的に同期するためのサービスとして、systemd-timesyncdという軽量なサービスが標準で提供されています。さらに、chronyやntpdといった他のNTPクライアントを利用することも可能です。

systemd-timesyncdを使って時刻同期

Ubuntu 18.04以降、systemdが標準のサービス管理ツールになり、systemd-timesyncdというNTPクライアントが標準でインストールされています。これを利用することで、簡単にシステムの時刻をインターネット上のタイムサーバーと同期できます。

systemd-timesyncdの有効化と確認手順

サービスが有効か確認する

systemd-timesyncdがインストールされ、サービスとして動作しているか確認します。

timedatectl status

出力にNTP synchronized: yesと表示されていれば、NTPによる時刻同期が有効になっています。

NTPが無効の場合、有効にする

NTPが無効になっている場合、次のコマンドでsystemd-timesyncdサービスを有効にします。

sudo timedatectl set-ntp true

これで、時刻同期が有効になります。

ステータスの確認

再度、timedatectl statusを実行して、NTPが有効になったことを確認します。

timedatectl status

この時、NTP synchronized: yesと表示されるはずです。

NTPサーバーを手動で設定

Ubuntuでは、特定のNTPサーバーを手動で設定することもできます。これには、systemd-timesyncdの設定ファイルを編集します。

設定ファイルの編集

systemd-timesyncdの設定ファイルは/etc/systemd/timesyncd.confにあります。このファイルを編集することで、使用するNTPサーバーを変更できます。

設定ファイルを開きます。

sudo nano /etc/systemd/timesyncd.conf

NTP=行を見つけて、使用したいNTPサーバーを設定します。例えば、time.google.comを使用する場合は次のように記述します。

NTP=time.google.com

他にも、pool.ntp.orgなどを使って複数のサーバーを設定することができます。

NTP=0.pool.ntp.org 1.pool.ntp.org 2.pool.ntp.org

設定を保存してファイルを閉じます。

    サービスの再起動

    設定を反映させるために、systemd-timesyncdサービスを再起動します。

    sudo systemctl restart systemd-timesyncd

    再起動後、時刻が新しいNTPサーバーと同期されるようになります。

    NTP同期の確認

    時刻が正しく同期されているか確認するには、次のコマンドを実行します。

    timedatectl status

    NTP synchronized: yesと表示されていれば、NTPによる時刻同期が正常に動作していることになります。

    さらに、chronyc trackingやntpq -pなど、他のツールを使用して、詳細な同期情報を確認することもできます(chronyやntpdを使っている場合)。

    NTPを使った手動同期

    systemd-timesyncd以外にも、ntpdやchronyを使用することができます。これらはより詳細な設定や制御を提供します。

    ntpdのインストールと設定

    ntpdのインストール

    sudo apt update
    sudo apt install ntp

    ntpdの設定

    ntpdの設定は/etc/ntp.confで行います。必要に応じて、NTPサーバーを変更します。

    サービスの開始

    sudo systemctl start ntp

    サービスの自動起動を有効にする

    sudo systemctl enable ntp

    chronyのインストールと設定

    chronyのインストール

    sudo apt update
    sudo apt install chrony

    chronyの設定

    設定ファイルは/etc/chrony/chrony.confにあります。NTPサーバーを変更する場合はこのファイルを編集します。

    サービスの開始

    sudo systemctl start chrony

    サービスの自動起動を有効にする

    sudo systemctl enable chrony

    同期状況の確認

    chronyc tracking

    UbuntuでNTPによる時刻同期を行う方法は、systemd-timesyncdを利用するのが最も簡単で一般的な方法です。NTPサーバーを手動で設定したり、別のNTPクライアント(ntpdやchrony)を使用してもよいですが、どの方法を選んでも正確な時刻を保持するための手助けとなります。

    基本的な流れは、NTPサービスを有効にして、同期対象となるNTPサーバーを設定し、動作確認を行うというものです。この設定を行うことで、システムが常に正しい時刻を維持し、ログのタイムスタンプや認証など、時間に依存する各種処理が正確に動作するようになります。

    今回は以上になります。

    「Linux」おすすめ書籍6選【初心者・脱初心者用】| 現役エンジニア&プログラミングスクール講師「Linux」初心者の方がLinuxの操作や仕組みを理解するためのお勧めの書籍について取り上げています。また中級者として更に進んだ学習ができる書籍についても1冊取り上げています。ページの下部には「おすすめのITスクール情報」「おすすめ求人サイト」について情報を掲載中。...

    ブックマークのすすめ

    「ほわほわぶろぐ」を常に検索するのが面倒だという方はブックマークをお勧めします。ブックマークの設定は別記事にて掲載しています。

    「お気に入り」の登録・削除方法【Google Chrome / Microsoft Edge】「お気に入り」の登録・削除方法【Google Chrome / Microsoft Edge】について解説している記事です。削除方法も掲載しています。...
    【パソコン選び】失敗しないための重要ポイント | 現役エンジニア&プログラミングスクール講師【パソコン選び】失敗しないための重要ポイントについての記事です。パソコンのタイプと購入時に検討すべき点・家電量販店で見かけるCPUの見方・購入者が必要とするメモリ容量・HDDとSSDについて・ディスプレイの種類・バッテリーの持ち時間や保証・Officeソフト・ウィルス対策ソフトについて書いています。...
    RELATED POST